甘い体温②・後編・


どうして?


瞬時にそう感じながらも、甘い痺れに涙腺がポロポロとこぼれ落ちる。


キスが深さを増して、私の思考回路を完全に奪い去っていく。




「…んっ……」



何度も角度が変わる。


情熱的に、まるで私のすべてを奪うかのような強引なキスに、体から力が抜けて崩れ落ちそうになってしまうけれど





「果歩……」



深く、口内に舌を押し入れられて気持ちがドキドキと高ぶっていく。


ずっと欲しかった温もり。この感覚を前にして、抵抗なんてできるわけがない。



「はるっ……」



名前を呼ぼうとした瞬間、そっと唇が離れいく。


そして重なり合う視線と視線。


両手は壁に押さえ付けられたまま。


目の前の陽生がとても優しい声でふっと笑った。