甘い体温②・後編・


通路の角を曲がり、エレベーターの前で止まる。



「お願い、早く……」



そしてボタンを押そうと立ち止まった瞬間、背後に影がかかり、突然グイっと手を引っ張られた。




「あ……」



そう思った時にはすでに視界がグルッと回っていた。


足が絡まり、ドンっと背中に冷たくて硬い感触がして、そっと優しく押し当てられる。




「―っ――」


「捕まえた」



そんな声と共に、唇が強引に塞がれた。


熱く、とても情熱的なキスが広がって、私は「ん……」と言葉を失いその感触に頭の中が真っ白になる。



だけど……




「―っ――」



知ってる、この感覚……


熱くて甘い、とびっきりの感触を……



もう何度も、幾度と重ね合ってきた、この大好きな温もりを――…