甘い体温②・後編・


陽生……



うっ…と声が上がる。


泣きながら、目の前の紙を見つめた私は思わずその場に崩れ落ちてしまう。




「ヒック……」



なんで?


どうしてこれが?


ううん、それより……


どんな思いでこれを……


書いて持ってたの?



さっきの陽生の姿を思い出し、私は顔をクシャクシャにしながらその紙を強く握りしめる。




『もう、いいよ。別れよう』


『ごめんな。俺は果歩が幸せになってくれるならそれでいい』


『果歩、今までありがとう』



そんな言葉が脳裏を駆け巡った時、私はハッとしたように突然我に返る。






やだ。


やっぱり嫌だ。


違う。


こんなの、違う。


離れたくない。


陽生と別れたくなんてないよ。


一緒にいたい。


可能なら


できるなら



この先もずっと陽生の側にいたい!