陽生……
うっ…と声が上がる。
泣きながら、目の前の紙を見つめた私は思わずその場に崩れ落ちてしまう。
「ヒック……」
なんで?
どうしてこれが?
ううん、それより……
どんな思いでこれを……
書いて持ってたの?
さっきの陽生の姿を思い出し、私は顔をクシャクシャにしながらその紙を強く握りしめる。
『もう、いいよ。別れよう』
『ごめんな。俺は果歩が幸せになってくれるならそれでいい』
『果歩、今までありがとう』
そんな言葉が脳裏を駆け巡った時、私はハッとしたように突然我に返る。
やだ。
やっぱり嫌だ。
違う。
こんなの、違う。
離れたくない。
陽生と別れたくなんてないよ。
一緒にいたい。
可能なら
できるなら
この先もずっと陽生の側にいたい!



