「キャンキャン!」
そんな時、ブラウンんが駆け寄って来て、私の膝に顔を寄せた。
茶色いふわふわの毛並。
まるで私を慰めるように掌にすり寄ってくるブラウンに大粒の涙をこぼし、頼りない眼差しを向ける。
そしてそっとその体を抱き上げようとした瞬間
「―――」
なぜか口元に咥えられた真っ白な紙に目がとまる。
それは2つに折られもので、ハッと気付いた私はそこに向かってゆっくり手を伸ばす。
「えっ……」
そしてそれを見た瞬間大きく体が震えた。
嘘……
なんで……
口元に手を当てて、その紙を信じられない気持で見つめる私。
これ……
目の前が涙で大きく歪み、ポタポタと押さえてた感情がより一気に溢れ出した。



