甘い体温②・後編・


「ごめ……」



私はいてもたってもいられず、俯いた。


陽生の視線を感じながら、涙が溢れて止まらなくなって。


それでも、陽生のことが好きだから…


大好き人には幸せになってもらいたいから。


だから……私は顔を覆い、「ごめんなさい……」と、やっぱり泣くことしかできなかった。





「…っ……」


「………」



ぎゅっと手首を掴む大きな手。


私はこの手が大好きだった。


もちろん今だって。


優しくて、温かくて。いつだって私のすべて包んでくれるこの手がとても大好きで。




……でも。


今は



「辛い……」



どうしても辛い。


好きだから苦しいの。


苦しくて……痛い。




私は……


どういたら、いい?