「ごめ……」
私はいてもたってもいられず、俯いた。
陽生の視線を感じながら、涙が溢れて止まらなくなって。
それでも、陽生のことが好きだから…
大好き人には幸せになってもらいたいから。
だから……私は顔を覆い、「ごめんなさい……」と、やっぱり泣くことしかできなかった。
「…っ……」
「………」
ぎゅっと手首を掴む大きな手。
私はこの手が大好きだった。
もちろん今だって。
優しくて、温かくて。いつだって私のすべて包んでくれるこの手がとても大好きで。
……でも。
今は
「辛い……」
どうしても辛い。
好きだから苦しいの。
苦しくて……痛い。
私は……
どういたら、いい?



