違う。
違うよ。
そんなんじゃないの!
そう思うのに、目の前の陽生が怖くてただ、固まるしかできない私。
「…陽生……」
こんな陽生は初めてだ。
こんな風に怒りを露にする陽生を見るのはきっと初めて……
それぐらい今日の陽生からは、穏やかさなんか感じられなくて。
私に対してとても怒りを抱いてるのが分かる。
「わ、たし……」
そういいかけて、途中で言葉を濁す。
だって、当たり前だ。
今の私、怒られて当然の態度をとってるんだもん。
おもいっきり嘘をついて、そして勝手に家を飛び出して。
おまけにお腹の子供のこともずっと内緒にしたまま、こんな態度までとってるんだ。
例え、それが相手の為を思ってのことだったとしても、きっと逆の立場だったら私も同じことしてる。
苦しくて、悲しくて。
陽生のことを沢山ののしっちゃうかもしれない。



