甘い体温②・後編・


違う。


違うよ。


そんなんじゃないの!


そう思うのに、目の前の陽生が怖くてただ、固まるしかできない私。





「…陽生……」



こんな陽生は初めてだ。


こんな風に怒りを露にする陽生を見るのはきっと初めて……


それぐらい今日の陽生からは、穏やかさなんか感じられなくて。


私に対してとても怒りを抱いてるのが分かる。





「わ、たし……」



そういいかけて、途中で言葉を濁す。



だって、当たり前だ。


今の私、怒られて当然の態度をとってるんだもん。


おもいっきり嘘をついて、そして勝手に家を飛び出して。


おまけにお腹の子供のこともずっと内緒にしたまま、こんな態度までとってるんだ。


例え、それが相手の為を思ってのことだったとしても、きっと逆の立場だったら私も同じことしてる。



苦しくて、悲しくて。


陽生のことを沢山ののしっちゃうかもしれない。