だけど、それはしちゃいけないから。
もう、だめだから。
陽生の為、お互いの為にも私からちゃんと距離を置かないいけないんだもん。
「お願い、帰って……」
私はぎゅっと目を瞑り、苦しさを殺すように俯いた。
陽生の顔がまともに見られない。それなのに……
「それはできないって言ったら?」
「もう……会いたくないの」
「俺は会いたかった」
「私は会いたくな……」
グイっと引き寄せられて、少し強引に体を向き合わされる。
真剣な瞳に、力強い声。
だめ……
きっと泣いてしまう。
これ以上陽生の顔を見たら、我慢している理性なんてあっという間に吹き飛んでしまうのに……
「果歩、帰るぞ」
優しい声がして、そっと背中を引き寄せられる。



