「何でっ……!」
背中から彼女の悲痛な声がする。
「どうしてですか!?ここにちゃんと証拠があるのに、それなのに彼女のことを信じるっていうんですか!?」
言いながら俺のスーツをぎゅっと掴む彼女。
必死だな……と思う反面。逆に俺の気持ちが冷静になっていくのがわかる。
「ああ」
「何で!?どうしてそこまでできるんですか!?現に彼女は今、先生の前からいなくなったんでしょう!?」
「―――」
「……ふ~ん、なるほどね。何もかもお見通しってわけだ」
「あ……」
「何?それも親父から聞いたの?それともずっと俺達のことを観察してた?これじゃあまるでストーカーだよね?」
ふっと笑い、背後でビク付いた彼女に感情のこもらない声を向ける。
いったいいつまでこんなことすれば気がすむんだと、軽く頭痛さえ感じてしまう。



