甘い体温②・後編・


「何でっ……!」



背中から彼女の悲痛な声がする。



「どうしてですか!?ここにちゃんと証拠があるのに、それなのに彼女のことを信じるっていうんですか!?」



言いながら俺のスーツをぎゅっと掴む彼女。


必死だな……と思う反面。逆に俺の気持ちが冷静になっていくのがわかる。



「ああ」


「何で!?どうしてそこまでできるんですか!?現に彼女は今、先生の前からいなくなったんでしょう!?」


「―――」






「……ふ~ん、なるほどね。何もかもお見通しってわけだ」


「あ……」


「何?それも親父から聞いたの?それともずっと俺達のことを観察してた?これじゃあまるでストーカーだよね?」



ふっと笑い、背後でビク付いた彼女に感情のこもらない声を向ける。


いったいいつまでこんなことすれば気がすむんだと、軽く頭痛さえ感じてしまう。