今更真実を知ったころで状況は何も変わりはしない。
俺は携帯を握りしめ、神崎ミサを鋭く射抜く。
そのまま素っ気なくそれを返し、冷たく彼女から距離をとった。
「せんせっ……」
「俺をはめたいならもっと徹底的にやった方がいいんじゃない?こんな中途半端なやり方じゃなくてさ」
「えっ」
「そもそもこんな画像一枚で本気で俺と果歩がどうにかなるとでも思った?バカバカしい……君がこんな子供じみたことするなんて正直幻滅したよ」
「―――」
バカにしたように笑い、院長室のドアに手をかける。
彼女の表情がみるみるうちに硬直していくのが分かったけど、俺は構わず冷静にドアを閉めた。
「先生!!」
だけどすぐに俺の体は甲高いに声に呼び止められる。
力強い腕に、必死な叫び。
そして待合室に差しかかったとき、背後からとても強い力で抱きしめられた。



