甘い体温②・後編・


真っ直ぐ見据えた俺に彼女が一瞬息を飲んだのが分かった。


だけど…




「もう、無視するなんて酷いじゃないですか!いくら私が嫌いだからって、そんなあからさまな態度しないでくださいよ!」



彼女の指が俺の手をぎゅっと握る。



……今、自分の置かれている立場を分かってるんだろうか?


俺は落胆し、そんな彼女を鋭く見つめる。



「もう、俺に構わないって約束したんじゃなかったっけ?」


「え?」


「約束、したよね?こんなふうに待ち伏せするなんてルール違反じゃない?」



イライラが込み上げてくる。


これ以上話すのも面倒で、腹立たしい。


俺は彼女の手を払い、院長室のドアを少し強めに開けた。



「ちょっ、せんせっ……」


「話すことは何もない。分かったら今すぐ帰りなさい」