俺はゆっくり息を整えて、再び未来ちゃんに向き直った。
「未来ちゃんもごめん。色々と気を使わせちゃったみたいで悪かったね」
「そ、そんな私は別にっ」
「いや、今回のことは全て俺の責任だ。今まで果歩の支えになってくれてありがとう」
「先生……」
ポロポロと泣きだした未来ちゃんに、俺は頼りない笑顔を向ける。
そして立ち上がり、何度も謝ろうとする彼女を慰めて、そのまま自宅まで送りとどけた。
―――バタン!
どっと体から力が抜けた気がした。
車を降り、見上げた自分のマンションを見るたび、酷い苦しさに襲われる。
果歩……
ごめん。
お前いったい今どこにいるんだよ……
そう悔やんでも果歩の返事は何も聞こえない。
『おかえりなさい』
玄関を開け、むしろ思いだすのは毎日聞いていた果歩の無邪気な笑顔だけ。
「―――」
思わず足が止まる。
苦しくてどうにかなりそうだった。
どうしようもなく果歩に会いたい。
この手で果歩を抱きしめたい。
そう思った俺は悩み、たまらず車へと足を向けていた。
押し寄せる虚しに堪えきれず、果歩の存在を探し求めるように……



