甘い体温②・後編・


俺はゆっくり息を整えて、再び未来ちゃんに向き直った。



「未来ちゃんもごめん。色々と気を使わせちゃったみたいで悪かったね」


「そ、そんな私は別にっ」


「いや、今回のことは全て俺の責任だ。今まで果歩の支えになってくれてありがとう」


「先生……」



ポロポロと泣きだした未来ちゃんに、俺は頼りない笑顔を向ける。


そして立ち上がり、何度も謝ろうとする彼女を慰めて、そのまま自宅まで送りとどけた。




―――バタン!


どっと体から力が抜けた気がした。


車を降り、見上げた自分のマンションを見るたび、酷い苦しさに襲われる。




果歩……



ごめん。



お前いったい今どこにいるんだよ……


そう悔やんでも果歩の返事は何も聞こえない。




『おかえりなさい』




玄関を開け、むしろ思いだすのは毎日聞いていた果歩の無邪気な笑顔だけ。



「―――」



思わず足が止まる。


苦しくてどうにかなりそうだった。


どうしようもなく果歩に会いたい。


この手で果歩を抱きしめたい。


そう思った俺は悩み、たまらず車へと足を向けていた。


押し寄せる虚しに堪えきれず、果歩の存在を探し求めるように……