「この、バカ陽生!!」
甲高い怒りに満ちた声が、院長室に響き渡る。
俺にめがけて当てられた黒色のハンドバッグ。
その先に見えたのは顔を真っ赤にして、俺を睨む静香の姿だった。
「し、静香さん!?」
「―――」
仁王立ちした静香が、俺の頬めがけて勢いよく平手打ちをかました。
―――パシッ!
「この、大ばか!!いったい何がどうなったらこんなことになるのよ!」
そう言って俺の胸ぐらを掴んだ静香に、傍観していた未来ちゃんが慌てて言葉を挟む。
「ちょっ、静香さっ……」
「だから果歩ちゃんをちゃんと見てなさいって言ったでしょ!?それなのに何よこのざまは!!あんたそれでも男!?
いい?子供作るにしてももっと計画的ってものがあるでしょう!?いい大人が避妊の仕方も知らないの!?」
きっと今までの話を全て聞いていたんだろう。
眉を上げ、いつにもましてや我を忘れた静香に、俺は受け身状態まま言葉を……濁す。



