甘い体温②・後編・


「この、バカ陽生!!」


甲高い怒りに満ちた声が、院長室に響き渡る。


俺にめがけて当てられた黒色のハンドバッグ。


その先に見えたのは顔を真っ赤にして、俺を睨む静香の姿だった。




「し、静香さん!?」


「―――」



仁王立ちした静香が、俺の頬めがけて勢いよく平手打ちをかました。


―――パシッ!



「この、大ばか!!いったい何がどうなったらこんなことになるのよ!」



そう言って俺の胸ぐらを掴んだ静香に、傍観していた未来ちゃんが慌てて言葉を挟む。



「ちょっ、静香さっ……」


「だから果歩ちゃんをちゃんと見てなさいって言ったでしょ!?それなのに何よこのざまは!!あんたそれでも男!?

いい?子供作るにしてももっと計画的ってものがあるでしょう!?いい大人が避妊の仕方も知らないの!?」



きっと今までの話を全て聞いていたんだろう。


眉を上げ、いつにもましてや我を忘れた静香に、俺は受け身状態まま言葉を……濁す。