「何?何か用かよ?悪いけど今ちょっと急用が……」
未来ちゃんの様子をチラッと覗って、声のトーンを落とす。
簡潔に通話を終えようとしたのに、秀がやたら楽しそうに俺の言葉を遮った。
「陽生くん、おめでとう」
「え?」
「つーかみずくさいじゃん。何で最初に俺に言わないんだよ。この前一緒に飲み明かした仲だろ?てっきり俺は迷わず俺の病院に来てくれるとばかりに思ってたんだけど」
「??」
初っ端からなに言ってんだって、感じだった。
俺は眉を寄せながら秀に疑問を飛ばす。
「は?お前何言ってんの?」
「またまた~とぼけちゃって。何だよ、俺には内緒ってか?つーか俺は知ってるんだからな。少し前、隣町の病院の待合室にいる果歩ちゃんを見たんだから」
「は?だから何のことだよ」
「なんだよ~照れるなって。あの時ちょうど研修で婦人科にいたし、カルテも見たからバッチリなんだよ。だからとぼけても無駄無駄」



