甘い体温②・後編・


「お願い!三月さんを早く見つけてください!」


「えっ」


「先生!実は三月さんのお腹には……」


―――ピリリリ。



ちょうどその時、タイミングよく鳴った俺の携帯。


その瞬間、ハッとしたように会話が止まり、俺の眉もピクリと上がる。


一瞬出るか出ないか迷ったが、あまりにしつこく鳴り続ける着信に、俺は観念したように未来ちゃんに謝った。



「ちょっとごめんね」


「―――」



彼女の瞳から再び涙がポロポロと流れ落ちる。


その姿に内心申し訳なく思いながらも、俺は携帯の通話に向かって少し低めの言葉を向けた。



「……はい」


「おお、陽生くん久しぶり」



その声を聞いた途端、ああ……と、張り詰めていた気持ちが少しだけ抜け落ちる。


この雰囲気とはまるで正反対の馴染みのある明るい声。



「秀……」



着信の相手は俺の医師仲間の秀だった。


なんとも罰の悪いタイミングに、俺は秀に聞こえないようにそっとため息をこぼす。