「いいか、三月。人の幸せなんてな。結局その人自身にしか本当のところは分かんねーんだよ」
「??」
「それってどういう……」
「つまりさ、何が幸せで、何が不幸せなんかなんて、そんなの本人以外は誰にも分からないってことだよ」
「……誰にも、分からない?」
その人、以外?
そう脳裏で整理しながら、やっぱり困った視線を向けてしまった。
「…えっと……」
「は?まだ分かんねーの?」
予想に反して難しい顔をする私を見て、直輝はまたため息をついたようだった。
そして自分の髪を少し乱暴にクシャっとし、何故が急に立ち上がりながら私を苛立ったように見下ろした。



