「…っ……」



インターホンを押した手がふるえている。


この1週間涙が止まらない。


泣いても泣いても止まることなく溢れてくる。


まるで陽生への思いと比例するように……、ううん、違う。きっとそれ以上だ。






―――ガチャ。



「はっ?お前……」


「ごめっ……っ、ちょっとだけ、かくまってくれる?」



あれから1週間。


陽生のマンションを出てから、格安のビジネスホテルに逃げていたけど、それもそろそろ限界だった。


お金、その他色んな面でやっぱり私はまだまだ子供だと思い知らされる。


そしてそんな私が無意識にたどり着いた先。


1番迷惑をかけちゃいけない相手だと分かっていたのに、気付くと私はそこに立ち、泣きながらインターホンのボタンを押していた。