「もしもし仁さん俺、ちょっと調べてほしいことがあるんだけど……」
―――…
電話を終え、決まった診察を受けているとあっという間に午後になった。
明後日は待ちに待った退院の日。
果歩からの連絡をきにしつつ、自分からもそんな暇がもてなかった俺。
正直昨日のやり取りを気にしないわけがない。
今頃果歩はどんな思いでいるのかと。
やたらひっきりなしに来る看護婦の相手にうんざりしながら携帯を見ると、ちょうど着信のバイブが鳴ったところだった。
……果歩?
一瞬そう期待したりもしたが、ディスプレイの名前を見た瞬間俺のテンションは一気に落ちた。
神崎ミサ……
久しぶりに見るこの名前。
俺がずっと拒否してたからか、ここのところ音沙汰もなく内心ホッとしてたところなのに。
いったい何の用だ?



