(嘘と決別ーSide陽生ー)
果歩が帰った気配を見届けると、俺もベッドから起き上がった。
ゆっくりカーテンを開けると、まだ日が昇りだしてすぐの景色。
「ふっ、起きるのはえーよ」
病院から出て、駅に向かって歩く果歩の姿を見つめながら苦笑い気味に息をつく。
お互い昨日は寝れなかった。
あれから言葉は一言も交わさなかったけれど、果歩が必死で何かを考えていたのは分かる。
そして俺も……
昨日果歩に言われたことが頭から離れず、自分なりにずっと考えていた。
そして妙に何かひっかかった。
何かが変だ。
そう思った俺は携帯を取り出し、ある人に電話をかけた。