分かるけど……
陽生の気持ちは痛いほど分かるけど、でも……
「だからこそ言ってるんだよ!陽生の気持ちが分かるから、私と同じような悲しい思いは絶対にしてほしくないんだよ!」
「………」
「だってそうでしょ?あの時私の背中を押してくれたのは陽生でしょ!?大丈夫だって、優しく私に前向きな勇気をくれたのは陽生じゃない!!」
だから私は頑張れた。
あの時覚悟を決めて母親とちゃんと向き合うことができたんだ。
陽生のおかげで私は後悔しなくてすんだんだよ。
「だからっ……」
「じゃあ聞くけど、俺が親父と話しあったとして、結局うまくいかなくて他の女と結婚することになってもいいのかよ?」
「えっ……」
勢いよく起き上った陽生が私の腕をガシっと掴んだ。
とても力強い力で。
今まで見たことないような表情だった。



