ドンと陽生の胸を叩いて険しい顔を向けた。
やっぱり切なくて、涙がこぼれ落ちそうになってしまう。
そして
「ねえ、本気で……どこかに行くつもりなの?」
どうしてか不安が止まらなかった。
きっとそれはこれのせい。
陽生に言われた「遠くに…」ってやつが気になってしょうがないんだ。
「本気で言ってるの?」
「て、言ったら果歩はどうする?このまま俺と一緒に来てくれるわけ?」
その言葉に一瞬たじろいでしまった。
「そりゃ……」
陽生なら。
陽生がそうしたいっていうなら、このさい天国でも地獄でも、どこへだってついてく覚悟はできてるよ。
だってないんだもん。
私には陽生以上に大事だって思えるものが何もないんだから……



