「はる……」
「悪い、冗談だよ。ごめん、ちょっと言ってみただけだから気にすんなって」
「そんなっ……」
「てか、果歩がそんな女じゃないっていうのはもう十分ぐらい知ってるし、俺が悪かったよ。だからそんなに泣くなって」
「ばか――」
すごく腹が立って、私は目の前の胸をドンっと、叩いた。
「サイテ―、いくら陽生でも言っていいことと悪いことがあるんだからね!」
「悪い、悪かったよ。謝るから果歩……そんなに怒るなって」
「知らない!」
ムッと陽生から顔を背けると、なぜか突然陽生に抱きしめられた。
そして指先で顎を持ち上げられて、あっと言う間に唇を塞がれてしまう。
「……んっ」
「ごめん、機嫌直せよ。それ以上泣かれると……困る」
また腕の中に閉じ込められて、頭上に優しいキスが降ってきた。
ちゅっと、慰めるようなやわい仕草をされて、不覚にも怒りが吹っ飛びそうになってしまいそうだったけれど……



