ギュッと抱きしめられて、思わず目を見開いた私。 「………」 うそ。 「それって、かけおちって……こと?」 そう言いながら急に心臓がバクバクとし始めた。 陽生の背中に手を添えながら、茫然と息を呑み込んだ私。 「ああ、そうだな。それもいいかもしれないな」 ドキンと、鼓動が大きくなった。 「えっと……」 「いやか?俺が椎名家の人間じゃなくなったら」 「えっ?」 「椎名っていう肩書きがなくなったらダメ?俺に興味でも薄れてく?」 「っ!まさかっ!」