甘い体温②・後編・


「遠くって、……旅行……するの?」



首を傾けながらそう聞いた私に、陽生は少しだけ目を細めて私の背中を引き寄せた。


その瞬間、陽生の柔らかな髪が頬をくすぐって、額が私の肩に持たれかかる。




「……ああ、そうだな。できればずっと……」



そう、ポツリと聞こえた言葉にやっぱりすぐに反応ができなかった。


ただ固まって。


息をひそめながら、陽生の重みを肩で感じていた私。




「………ずっと?」


「そう、いっそこのまま今のマンション引き払って、どこか違うところに引っ越そうか?」


「え?」


「こんなまどろっこしい状況から解放される場所に。もっと気楽でゆっくりできるところで果歩と一緒に暮らしたい」