陽生が少し呆れたように息を吐いた。
「それからだな。すべてがおかしくなったのは……お袋が壊れはじめていったのはそれからすぐのことだったよ。……よくうわ言でその相手の男の名前を呼んでるのを耳にしたりしててさ。本当痛々しくて見てられなかったよ」
「………」
言葉が出なかった。
何だか信じられなくて。
だってまるで想像とは正反対。
今まで見てきた陽生や、静香さん達からはまったく想像が付かない環境だったから。
「その時思ったよ。家族ってなんだろうな……とか」
「え?」
「もうずっと前から夫婦関係は冷えきってたのは分かってたはずなのに、それでも納得できない自分がいたりしてさ。
周りの反対を押し切ってまで結婚した結果がこれか……とか、正直失本気で失望もしたりして……」
「………うん」



