優を抱きしめながら、昼間言われた陽生のお父さんの言葉を思いだした。
『幼い弟さんの為にも、1日も長くお母さんが長く生きていけるように選択する。それが一番いい方法なんじゃないかね』
ズキン……
悔しいけど、その通りなのかもしれない。
今の優を見てると、そんなよこしまな気持ちが込み上げてきて余計苦しさが増していく。
……でも。
私は――…
「――っ……」
定まらない気持ちで、優を力いっぱい抱きしめた。
考えるのが怖い。
色んなものに押しつぶされそうで、これ以上何も考えていたくない。
ごめんね、優……
そんな気持ちで再び陽生の病院まで戻ると……また、止めどなく涙が溢れてきた。
病室に入るなり、私は何も言葉を発することなく陽生の胸元にしがみ付いた。
それを黙って受け入れてくれた陽生。
優しく頭を撫でられて、これでもかってぐらい私は声を殺しながら泣くことしかできなかった。



