「ママがっ、口からいっぱい血を吐いて……ヒック。う、動かなくなっちゃったのぉ」
「えっ」
「僕、何度も呼んだのに、一生懸命呼んだのに、ぜんぜん起きてくれなくてっ」
その言葉の意味に分からないはずがなかった。
泣きながら私にしがみ付く優と、目の前に広がる現実。
やたら物静かに見える病室の真っ白なドアが、余計重い緊張感を煽ってくるようだった。
「優……」
「実はさっき、急に容体が急変して倒れたんだよ」
誠二さんがそんな私達を見て、すごく苦しそうにそう言った。
泣き叫ぶ優の頭を撫でながら、誠二さんだって今にも崩れだしそうな雰囲気だ。
「あ、でもとりあえず一命は取りとめたって、今先生が……。
果歩ちゃんが来るほんの少し前にね。とりあえず落ち着いたみたいだから、安心していいと思う」
「………」
そ、なんだ……
ホッとして、思わず肩の力が抜けていく。



