やれやれといった感じでもう一度私を見下ろした宮川さんが、何か観念したように手を差し伸べてきた。
「ほら、今日のところは送ってくよ。さぁ立って」
「え?」
「気分悪いんじゃないの?さすがにそんな状態の相手に手を出すほど、俺も女には困ってはないからね」
……キス、しようとしたくせに?
心の中ではそう思ったけど、今は本気でこの状況から解放されたかったから、私はその手を取らずに黙ってその場から立ち上がった。
「べつに送ってくれなくていい。このまま一人で帰れるから」
顔を背け、さっさと背を向けようとしたのに、それは聞き入れてもらえず強引に手首を掴まれて、元来た道に引きずられてしまう。
「ちょ、ちょっと!」
「いいから、いいから。ほら付いて来なって」
そして有無を言わせず乗せられた彼の車はなんと、陽生のものと色違いのものだった。
おまけに車内で流れる洋楽の趣味まで陽生と似てるのか……。
と気付いたら、ものすっごく不愉快な気持ちに襲われた。



