……そしてここが一階のロビーではなく、どこか違うフロアの一角だときづく。
そう周りを見渡したとき、隣からふと柔らかな視線が向けられた。
「彼のこと本気で好きなの?」
「えっ」
見上げると、少し興味深い顔をした宮川さんがこっちを見ていた。
「椎名陽生かぁ……、うん、そうだねぇ。性格は知らないけど彼って格好いいもんねえ。
おまけに親の敷かれたレールを歩むことなく、自分のやりたいことに向かって医者になってさ。なかなかできるもんではないよな」
納得するようにうんうん。と頷き、首を傾ける宮川さん。
「俺よりも?そんなにいい男?」
「当たり前です!」
「はは」
なにが可笑しいのか、豪快に声を上げた彼をやっぱり用心深く見上げる。
てかほんの数分前に会ったばかりの男と、陽生を比べられるわけがないし。



