甘い体温②・後編・


信じられなくて、熱くなった瞳を揺らしながら宮川さんを見上げる。



「こんなの、酷い……」



そう呟いた声は少し真顔になった宮川さんの顔に消えていく。


振り払った右手がジンジンと熱をもつ。



「……ああ、そうだね。君からしたらきっと最悪なんだろうね。……けど、これが現実だよ。現に俺が社長に相談をもちかけたとき、2つ返事ですぐにOKしてくれたからね」



涙が、止まらない。


こんなところで……


こんな男の前で泣くしかできないなんて、なんて惨めなんだろう。




「…っ……」


「…果歩ちゃ……」



宮川さんが少し困ったような顔をする。


だけど私はそんな宮川さんをキッと睨み、威嚇した。


そしてエレベーターが開いた瞬間、私は逃げるように飛び出した。