信じられなくて、熱くなった瞳を揺らしながら宮川さんを見上げる。
「こんなの、酷い……」
そう呟いた声は少し真顔になった宮川さんの顔に消えていく。
振り払った右手がジンジンと熱をもつ。
「……ああ、そうだね。君からしたらきっと最悪なんだろうね。……けど、これが現実だよ。現に俺が社長に相談をもちかけたとき、2つ返事ですぐにOKしてくれたからね」
涙が、止まらない。
こんなところで……
こんな男の前で泣くしかできないなんて、なんて惨めなんだろう。
「…っ……」
「…果歩ちゃ……」
宮川さんが少し困ったような顔をする。
だけど私はそんな宮川さんをキッと睨み、威嚇した。
そしてエレベーターが開いた瞬間、私は逃げるように飛び出した。



