私はショックを受けながらも、お父さんに断りを入れる。
まるでテレビドラマのような展開に、じんわりと泣きそうになっている自分に気付き、下を向く。
まさか、自分がこんなことになるなんて……
ダメだ。
やっぱり私じゃ埒が明かない。
上手く話し合いなんてならないよ。
だってまさか、陽生のお父さんがこんな人だとは思わなかった。
こんな容赦のない人だなんて思ってもみなかったんだもん。
「ス、スミマセン。やっぱり今日はもうこのまま帰らせてください」
このままじゃ気持ちが押しつぶされそうだ。
苦しくて、心が完全に折れてしまう前にここから早く出たい。
そう思った私は気持ちを落ち着かせるように、ゆっくりと頭を下げる。



