驚きすぎて、もう何が何だか分からなくなっていた。
ひょっとして陽生や静香さんが話したのかも知れないけれど、でもまさか、こんな時にそんなことを持ちかけられるなんて――
「どうだろう、ここは一つ私とビジネスの話しでもしようじゃないか」
「ビ、ビジネス?」
その言葉を聞いて、思わず上擦った声になってしまった。
そんな私を見て、少し前のめりになって両手を組んだお父さん。
「もし、君が陽生と別れてくれるのなら、この先のお母さんの治療費やその他もろもろ全ての費用を私がバックアップしてあげよう」
「!?」
「なに、別に大したことじゃない。今以上お母さんがよりよい環境で過ごせられるよう、私が少しだけ裏で手助けをする、それだけだ」



