お父さんが、とても冷たい態度で言葉を続ける。
「現実はそんなに甘くはない。好きだの恋だので本気でこの先ずっと上手くやっていけると思うかね、だらない」
「………」
「だいたい陽生も陽生だ。いい大人のくせしてそんなことも分からんなんて、正直親として情けなくてたまらんよ」
冷たく、とても感情のこもらない声でお父さんが呆れたように言葉を吐く。
私はそんなお父さんを目の当たりにしながら、なぜか急激に体温が下がっていくのを感じて……心がギシギシと痛む。
―――ていうより、この人は……誰?
本当に陽生のお父さん?
お父さんなの?
まるで正反対。
陽生とは180度違うお父さんの言葉を聞いて、私はただただ驚き、何のリアクションもとれなかった。



