「だから私は……」
「ふっ、ばかばかしい」
「えっ」
噛み砕くように遮られ、私はお父さんを凝視した。
そんなセリフにビックリする私。
そして、おもむろに足を組んだお父さんは、そんな私に気にすることなく一呼吸おいて私に低い声を向けた。
「好きな人と一緒になって初めて結婚が成立するだと?くだらない……、何を言い出すかと思えば、くだらなすぎて笑えもしないじゃないか」
突然吐き捨てるようにそう言って、私に鋭い視線を突き刺してくる。
その顔は今まで見せていたものとは180度違うもので
「まるで茶番、そんな甘っちょろい考えでよく私に説教じみたことが言えたね。実に不愉快だ」
ピリッと背筋が凍る。
まるでくだらないものを見るかの様に、お父さんが私をじっと見つめる。



