甘い体温②・後編・


「違い、ますか?」



ずっと無表情なままのお父さんに再度問いかける。


ハラハラと、落ち着かない気持ちでその様子を覗うけれど、私……、間違ったことは言ってないし。


いくら家庭ってものを知らなくても、さすがの私もそれぐらいのことは分かってるつもり。



だって、陽生が教えてくれたから。


人を思う気持ちも、温もりも。


好きな人と一緒にいる楽しさや、幸福も。


きっと陽生じゃなかったらこんな気持ちにはならなかったし、思えなかった。


ましてや家族になろうだなんて……



そして、そんな関係の延長線に結婚があって、


この人と家族になりたいって、そんな気持ちが自然と生まれるじゃないのかな?




違う?