「違い、ますか?」
ずっと無表情なままのお父さんに再度問いかける。
ハラハラと、落ち着かない気持ちでその様子を覗うけれど、私……、間違ったことは言ってないし。
いくら家庭ってものを知らなくても、さすがの私もそれぐらいのことは分かってるつもり。
だって、陽生が教えてくれたから。
人を思う気持ちも、温もりも。
好きな人と一緒にいる楽しさや、幸福も。
きっと陽生じゃなかったらこんな気持ちにはならなかったし、思えなかった。
ましてや家族になろうだなんて……
そして、そんな関係の延長線に結婚があって、
この人と家族になりたいって、そんな気持ちが自然と生まれるじゃないのかな?
違う?



