甘い体温②・後編・


だから、なんて答えていいのか分からなかった。




「―――」


「なんだね。答えられないのかね」


「いえ……」



お父さんの顔を見つめながら、眉を寄せる。


正直、今まで家族の温かさを味わってこなかった私。


家族団欒なんて知らないし、夫婦がどういうものなのかもいまいちよく分からない。


どんなふうに将来を築いていくかなんて……




「………スミマセン。よく、分かりません」


「………」



お父さんの沈黙が……怖い。


まるでほら見たことかと、鼻で笑われてるかのように見えて、キリキリと胸の辺りが締めつけられる。