だから、なんて答えていいのか分からなかった。
「―――」
「なんだね。答えられないのかね」
「いえ……」
お父さんの顔を見つめながら、眉を寄せる。
正直、今まで家族の温かさを味わってこなかった私。
家族団欒なんて知らないし、夫婦がどういうものなのかもいまいちよく分からない。
どんなふうに将来を築いていくかなんて……
「………スミマセン。よく、分かりません」
「………」
お父さんの沈黙が……怖い。
まるでほら見たことかと、鼻で笑われてるかのように見えて、キリキリと胸の辺りが締めつけられる。
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