……けど、そんなこと言えるわけもなくて、ただただ引きつった顔しか返せない私。


オロオロと、視線を泳がせながらも心の中では必死で喝を入れる。



しっかりしなきゃ!


ちゃんとお父さんと話し合わなきゃ。


なんのためにここに来たのよ。


ここで私達のこと認めて貰うんだから!


覚悟を決めろ、私!


そう気合いを入れ直し、ギュッと膝の上で両手を握り締めた瞬間



「ふっ、写真でみるよりずいぶんと可愛らしいお嬢さんだ」


「えっ」


「いつも息子が世話になってるみたいで、すまないね」



そう言われ、思わずキョトンと目を丸くしてしまう。


そして少しだけ目元を細めたお父さん。


ほんの少し和らいだトーンに、私は一瞬何事かとお父さんを凝視してしまう。