とてつもない緊張がはしる。


異常なほどの静けさに、私はたえきれず視線を自分の膝の上に落としてしまう。



ど、どうしよう……


お父さんがじっとこちらを見ているのが分かる。


物静かに、鋭い視線で。


何かを吟味するような真っ直ぐな視線に鼓動が大きく音を立て、落ち着かない。





「――私が怖いかね」


「えっ」


「さっきから落ち着かないようだが」



ズシッと低めの声を向けられて、私はハッと顔を上げる。


その瞬間、視線がバッチリ合わさってしまい



「あ、いえ……そのっ」



慌てる私。



こ、怖いよ。


怖いに決まってる。


この状況で、この雰囲気で、平然といられる方がおかしいと思う。