「それでは三月様、また時間になったらお迎えに参ります」
ガチャリ、沢渡さんが出て行くのを見届けると、その場からゆっくり立ち上がったお父さん。
――ドクン。
鋭い視線。
その瞬間鮮明に見えたお父さんの姿に、私は呼吸をするのを忘れて固まってしまう。
――なんてオーラなんだろう。
そしてすごい貫禄。
まるで50代とは思えないガッチリとした素敵な体格。
それに実年齢より若い容姿。
切れ長の鋭い瞳に捕らえられ、どこからどう見ても威圧のある迫力に、私はゴクリと言葉を失ってしまう。
この人が、陽生のお父さん――…



