「別に何も、ただ目の前の問題が先送りになるだけなので」
「えっ」
「今お断りになったとしても、早かれ遅かれ状況は同じになると思いますが」
……状況?
「それってどういう……」
「どうされますか?次の仕事が差し詰まってますので、できたらご判断はお早めにお願いします」
ピシャリ言われ、それ以上何も言えなくなってしまった。
あくまで早く決めろ。
そんな雰囲気をかもしだされ、私はうっ…と、顔をしかめてしまう。
陽生……
どうしよう。
もう目と鼻の先にいる大好きな姿を思い浮かべ、複雑に考え込んでしまう。
『何か変わったことがあったらすぐに言え』
『絶対一人で軽はずみな行動はとらないように』
最近そう言われて頷いたばかりだった。
それがきっと今?
そんなような気がするんだけど……



