必死で励ましてくれる後藤に引きつった顔を返す。
できることならそうなってほしい。
ちゃんと認めてもらいたいなぁ。
私が陽生と一緒になること。
もちろん、今はまだミサさんみたいに何でもこなせる訳ではないけれど。
……でも、それでも私だって陽生を思う気持ちは誰にも負けない。
ミサさんなんかに負けたりしないんだから。
「私、産みたい。ちゃんと陽生に話してくるね」
「うん、頑張って」
そう気持ちが定まると、なんだか無性に陽生に会いたくなった。
会いたくて、あの優しい笑顔に癒されたくて、もう一度クッションの下から携帯を取り出した。
そして、陽生からの受信を確認しつつ私からもちゃんとメールをうった。
『陽生、今から会いにいくね』
と。



