「そっか」と言った後藤に頷いて、私は鞄からさっきの写真を手帳から取り出した。
それは病院でもらったエコー写真。
子宮の中にある白黒に映る黒い影見つめながら、またしてもウルウルと涙が込み上げそうになってしまう。
「……この、黒豆みたいなのが、そうなの?」
「……うん」
それはまだほんの豆粒みたいな小さな小さな影だけど、写真に映るそれはとても神秘的で、力強い生命力を感じる。
「っ……」
「もう、また泣く……」
「だって、なんか感動しちゃってっ」
どうしてか、見れば見るほど泣けてくる。
ああ、ここにいるんだなって。
私の中で生きているんだって思ったら、ドクンドクンと、とても温かい感情が生まれてくるんだもん。



