甘い体温②・後編・


「そっか」と言った後藤に頷いて、私は鞄からさっきの写真を手帳から取り出した。


それは病院でもらったエコー写真。


子宮の中にある白黒に映る黒い影見つめながら、またしてもウルウルと涙が込み上げそうになってしまう。



「……この、黒豆みたいなのが、そうなの?」


「……うん」



それはまだほんの豆粒みたいな小さな小さな影だけど、写真に映るそれはとても神秘的で、力強い生命力を感じる。



「っ……」


「もう、また泣く……」


「だって、なんか感動しちゃってっ」



どうしてか、見れば見るほど泣けてくる。



ああ、ここにいるんだなって。


私の中で生きているんだって思ったら、ドクンドクンと、とても温かい感情が生まれてくるんだもん。