甘い体温②・後編・


「私、帰るね」


「えっ」


「また来るね」



そう言って、あっさりと背を向けると、すぐに陽生の焦った声が聞こえてきた。



「あ、おいっ……」



だけどそんな陽生に今は構ってられない。


私はなるべく自然な笑顔を作り、「ばいばい」と言ってゆっくり扉を閉めた。





「はぁ……」


ドアに持たれながらまたしても垂れてしまう。


……また、言いそびれちゃった。


ていうか言えなかったなぁ。


自分のタイミングの悪さにガックシと肩の力を落とす。


なんだかなぁ~。この3日ずっとこんな感じだった。


陽生にちゃんと言おうとする時に限って誰かしら邪魔が入る。


親戚、営業、製薬会社。


まるで誰かに見はられてるようにタイミングが合わない。