甘い体温②・後編・


「果歩、お前俺に何か言いたいことがあるんじゃないのか?」



グイっと手を捕まれて、ドキリと心臓が波を打った。



「え……」


「この前電話で言ってただろ?話したいことがあるって。あれってなんだったんだ?」



じっと見つめられて、思わずベッドのシーツを握りしめる。


この前、というのは3日前の私が我が儘を言ったあの日のことだ。


まさか、こんなタイミングでそんなことを聞かれるなんて思わなかった。



「えっと……」



急にありえない緊張に襲われた。


無意識にお腹に手を当て視線をそらすと、陽生が「果歩?」って私の顔を除きこんでくる。



言わなきゃ……


ちゃんと陽生に本当のこと言わなきゃ。


個室独特の静けさにゴクリと息を飲む。


それでももう一度、力強く目の前の瞳に視線をむけた瞬間





――…コンコン。



「椎名先生、昼食のお時間ですよぉ」