涙を拭い、クスリと笑って距離をとった。
さすがにそんな片手じゃ激しいことなんてできないもんね。
「ちょうどいい機会だから、これを期に一度性活環境を見直してみたら?」
あえて「性」のところを強調して言ってみた。
なんとなくこの雰囲気を壊したくて、ニヤリと意地悪く口の端を上げる。
「おまっ」
「いいじゃない、なんならここにいるかっわいい看護婦さんに癒してもらえばぁ?」
目を見開いた陽生にやっぱり笑いがこみ上げる。
クスクスと肩を揺らしてそんな陽生をみれば、目の前の眉間にあからさまに皺が寄っていく。
「俺は同業者に興味はねぇ」
そう言って焦る陽生がいつもに増して面白い、てか可愛い……
私はそんな陽生の腕をすり抜けて、そのままベッドから降りようとした。
「こら、待て!」
「やだ、ちょっとトイレ」
「話がある」
「えー、後じゃダメなの?」
そう言ってフワリ笑いながら振り返えると、何故かとても真剣な陽生に見つめられた。



