「あの2人を見てるとなんだか温かい気持ちになります。恋っていいなって」
ポツリ呟くと静香さんが少しだけ笑って、クスリと言った。
「そう?」
「はい、ああいうのが相思相愛っていうんですよね?」
お互いがお互いを心の底から思いやる関係。
愛し愛され、何も見返りを求めない一途な愛情に、何だか心が温まっていく。
「さっきの2人を見てたら本気で羨ましくなっちゃいました」
先生に抱きつく三月さんの顔。
そしてそんな三月さんを受け止める先生の切ない表情。
あの姿を見たら、2人が今までどれだけの絆を築いてきたのかが、目に見えて分かるようだった。
「いいなぁ……」
「ふふ、そうね。あの2人には幸せになってもらいたいわね」
そう言った静香さんの表情が切なそうに揺れていた。
きっと静香さんは静香さんなりに色んな思いを抱えてあの2人を応援してるんだろうな。
そう感じつつ、「もうこれ以上三月さんが沢山傷つきませんように」
もう一度祈るように願って、私はゆっくりと瞳を閉じた。



