甘い体温②・後編・


「ちょっ、三月さん!どうしたの!?」



私の異変に気付いた後藤がガバッと勢いよく飛び起きる。


私の両肩を掴み、ブンブンと揺さぶりながら顔をのぞきこむ。



「なんて顔してっ……」



きっと血の気も何もあったもんじゃなかったんだと思う。


まるで人形のように身動き一つできなくって、何も思考が働かない。



「陽生が……」



うまく、声が出ない。



「陽生が……」



まるでうわ言のように、自分が今何を言ってるのかもよく分からなかった。



「え?何?先生がどうしたの?」



何も答えない私に見かねた後藤がシーツに転がった携帯を取り上げる。


すぐに耳に当てた瞬間、後藤の声から分かりやすく明るさが消えた。