「ちょっ、三月さん!どうしたの!?」
私の異変に気付いた後藤がガバッと勢いよく飛び起きる。
私の両肩を掴み、ブンブンと揺さぶりながら顔をのぞきこむ。
「なんて顔してっ……」
きっと血の気も何もあったもんじゃなかったんだと思う。
まるで人形のように身動き一つできなくって、何も思考が働かない。
「陽生が……」
うまく、声が出ない。
「陽生が……」
まるでうわ言のように、自分が今何を言ってるのかもよく分からなかった。
「え?何?先生がどうしたの?」
何も答えない私に見かねた後藤がシーツに転がった携帯を取り上げる。
すぐに耳に当てた瞬間、後藤の声から分かりやすく明るさが消えた。



