そのままプツっときれた携帯電話。
陽生……
優しく途切れた声に瞳からは止まることなく、大粒の涙がこぼれ落ちる。
それでも私はツーツーと響く携帯を切って、言われた通りにベッドにもぐりこんだ。
陽生と会話ができた安心からか、少しだけホッとしつつ。
でも、早く会いたい……
それだけを思いながら、タイミングよくベッドに駆け寄ってきたブラウンを抱き上げて、ギュッと目を瞑った。
それから1時間もしないうちに、突然部屋のインターホンが鳴った。
ハッとした私は慌てて体を起こし
「えっ……」
……陽生?
一瞬そう思ったけれど
「まさか……」
時計を見ればまだ夜中の12時も回ってない。
いくら陽生だって、さすがにこんなに早く神戸から帰ってこれるわけない……よね?
「じゃあ、誰?」
しかもこんな時間に……
ブラウンを抱きしめながら、恐る恐るインターフォンのモニターに顔を近づけた私は……



