正直、自分が今何を言ってるのか理解してるようでできない状態だった。


頭の中がぐちゃぐちゃで、まともな判断なんかできる余裕なんてなくなっていた。


ただ、不安で怖くって……





「ごめんなさい、……でも会いたいっ」



すごく理不尽なこと言ってるのは分かるのに、止められない。


こんな我がまま、迷惑掛けてるだけだって分かってるのに押さえられない。



どうしちゃったの私?


何なのこの感じ?


こんな不安定な気持ちは久しぶりだった。


自分でも驚くほど悲しくて、泣きたくて甘えたくてしょうがなかったんだ。




「果歩、お前……」


「ぅ……」



戸惑う陽生をよそに、ひたすら涙ばかりがこぼれ落ちる。


これじゃあまるで幼い子供のようだ。


そう思いつつも、この感情は止まってはくれなくて……







「分かった」



けれどそれから数秒後、優しく響いた声に目を見開いた私。



「今からすぐに帰る、だからもう泣くな。安心してベッドの中で待ってろ」