「陽生!」
通話口から聞こえた声に思わず声を荒げてしまった。
それと一緒に熱くなっていた涙腺が余計ひどくなっていく。
「陽生……」
「ど、どうした?何かあったのか!?」
泣きながら声を上げる私に陽生がすぐに何事かと反応する。
周りからはさっき以上にガヤガヤとした音が聞こえてきたけれど、そんなの気にしてる余裕なんてない。
「……っ…」
「おい、果……」
「今、どこにいるの?」
何してるの?
言葉を遮るようにそう言えば、返って来たのはかなり焦った様子の陽生の声。
「どこって、研修が終わって一緒に来てる同期の奴らと少し飲んでるんだけど……」
「会いたい」
「えっ……」
「陽生に会いたいっ」



