陽生……



気づいたら、バンッとテーブルの上の携帯に手を伸ばしていた。


胸騒ぎがして、何を考えるまでもなく陽生のリダイアルのボタンを押す。



声が聞きたい。


陽生の声が聞きたい。


今何してるの!?



そればかりが頭の中をグルグルと回る。


今見た夢のせいか、やけに気持ちがモヤモヤとして、まともな冷静さがなくなっていた。




陽生……




「お願い出て!」




そう叫んだ瞬間ーー、ぷつっとコールが切れる音がした。





「――果歩?」